イチローのチャレンジが成功しているわけ
チャレンジ制度とイチロー
イチロー3戦全勝 ミスターチャレンジ [日刊スポーツ] - MLBニュース - Number Web - ナンバー
簡単にまとめますと、
4/4 vsブルージェイズ 内野ゴロがアウト→セーフで内野安打
4/6 vsブルージェイズ 盗塁のセーフに抗議→判定覆らず。
4/18 vsレイズ 内野ゴロがアウト→セーフで内野安打
ここで注目しておきたいのは3回とも敵地で起きているということ。
この本からいろいろ考えていきます。
- 作者: トビアス・J・モスコウィッツ,L・ジョン・ワーサイム,望月衛
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/06/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ホームチームの地元の利
スポーツでは地元の利というのがあります。
ホームで試合をした方が勝率が良いという話です。
どれくらい有利に働くかというのが集計されています。
ホームチームが勝った割合
サッカー セリエA 67.0%
バスケ NBA 62.7%
野球 MLB 54.1%
NPB 53.3%
野球に関していえば少し低いですが、少なからず地元の利はあるようです。
地元の利を生むのは審判の偏り
・観客の後押し
・遠征疲れがない
・試合日程がゆるい
・本拠地の特徴を捉えている
上記のような理由があげられるケースがありますが、決定的な差には至らないようです。
「審判のバイアス」によって地元の利が生じています。
きわどい判定で、典型的に地元の観客が大きな反応を示す、そんな判定だ。いい例として、盗塁やダブルプレーがある。調べてみると、盗塁もダブルプレーも、ホームチームのほうが成功することが多いことがわかった。
審判の偏りは審判も人間だから?
ゲッツーや盗塁、内野安打などのきわどいプレーにはホームチームに有利にはたらく。
これは審判が買収されているわけではなく、審判も人間であるということ。
心理学で
というのがはたらいている
彼らは自分が正しいと信じたことをやっているにすぎない。ただ、彼らの信じたことそのものが変わっているのだ。正しい判定を下そうとして、彼らは、自分たちが見たのと同じプレーを目撃した数万の観衆に圧倒され、大きな集団の意見に同調している。
・観衆の多さ
・きわどいプレーなどの状況の不確実性
が引き起こしているものと考えられている。
イチローのチャレンジが成功しているわけ
今年のイチローの内野ゴロも敵地の観客の圧力によってアウトの判定になっていると考えて良いでしょう。
ヤンキースの本拠地では逆にアウトの場面でセーフとなることが起きても不思議ではありません。
1年間でチャレンジの成否をホームとアウェイの視点から見てみると、面白そうな結果が生まれそうです。
今までイチローは何本の内野安打がアウトにされて損をしてきたのか?という考えもありますが、
今まで何本のヒットが地元の利によって生まれてきたのか?というのも生じてきます。
ホームでの試合の方が多いので、得をしている場面の方が多いのではないでしょうか?
ビデオ判定によって正すべき判定なのか?
人間のミスを機械によって補完し、正しい判定を下すというのが必要なことなのか?という疑問が生まれる。
NPBにとっても一つの課題になってくると思います。
機械導入のコストや試合の流れを切るなどの議論より、機械の正確な判定が試合を面白くするのか?ということ考えていくべきだと思います。
この本でメインに取り上げているのは「ホームチームの選手が見送った投球はストライクと判定されにくいという偏り」というもの。
しかしこれについてはMLBのチャレンジ制度では判定されないものとなっている。
ストライクゾーンも機械で判定される日がくるかもしれない。
おしまい